7500万年~1億500万年前までは特に温暖だった。
極に氷床は無く、北緯80~85度まで森林があり、その化石には年輪も残っている。
海洋の南北温度差は4℃程度で、赤道付近の深層水と表層水の温度差は5℃程度だったと、浮遊性有孔虫の殻の酸素同位体の研究から言われている。
海洋底の拡大速度が速く海嶺の体積が増え、海水面は今より100~200m高く、陸地面積は 20%少ない。

15.6500万年前      巨大隕石ユカタン半島に衝突

白亜紀(Kreide)と第三紀(Tertiary)の境目K-T境界に薄いインジウムの層が広範囲に形成されており、隕石の衝突によるものと考えられている。
当時の衝突によって形成されたクレーターはチクシュルーブ・クレーターと呼ばれ、その直径は160kmにもなるので、隕石の大きさは直径10kmを超え、10~20km/sという速度で激突したと考えられている。
この隕石は「チクシュルーブ衝突体」と呼ばれています。
この衝突によって半径1000km以内の生物は即死、300mもの高さの津波が発生したと考えられ、仮に生き延びたとしても世界規模の寒冷化が進み、栄華を誇った恐竜を含め当時生きていた生物種の75%が絶滅してしまったとされている。

16.4500万年前      ヒマラヤ山脈が出来る

南海洋にあったインド亜大陸は北上し、ユーラシア大陸に衝突し、潜り込んだ。間にあったテチス海の堆積岩とプレートの一部も潜り込んだが、強い圧力と熱で片麻岩に変成した。
深さ40km付近んで折れたため、比重の軽い片麻岩が一気にプレート間を浮上し、残っていたテチス海の堆積岩を押し上げ、高さ一万メートルのスーパーエベレストを造山した。
柔らかい堆積岩層はやがて自重で崩れ落ち、今のエべレストが残っている。
インド亜大陸は今も北上を続けており、衝突部ではスーパーコールドブルームが形成されていると考えられ、オーストラリア大陸も引き付けられている。
衝突の衝撃でチベット高原、タクラマカン砂漠、天山山脈などが形成された。
また、豊かなテチス海の堆積物から豊富な天然ガスが産出している。

17.1500万年前    南極大陸が氷床に覆われる  

1億6000万年前にアフリカ大陸が南極大陸と分離し、1億2500万年前頃にはインド亜大陸も離れた。
6500万年前頃には、オーストラリア大陸とつながっていた南極大陸は熱帯もしくは亜熱帯気候にあり、有袋類中心の動物相を持っていた。
約4000万年前、オーストラリアとニューギニア島が分離し、南極大陸が独立し南下、南極が寒冷化し氷床が形成され始めた。
2300万年前後には南アメリカ大陸との陸峡が切れてドレーク海峡が開かれた結果南極環流が生じて南極大陸は完全に孤立した。
二酸化炭素の減少は環境変化に大きく影響し、森林に取って替わって氷が大陸に広がり始めた。約1500万年以降、大陸は氷で閉ざされている。

18.1000~500万年前   アフリカに大地溝帯形成始まる

大地溝帯の形成は、地球内部のマントルの対流と関係がある。大地溝帯周囲は地熱温度が高いことが観測されている。
これは、マントルの上昇流がこの辺りに存在していることを示している。マントルの上昇流は、マントル・プルーム(ホット・プルーム)とも呼ばれ、大陸分裂の主要因と考えられている。
現に大地溝帯の北端近くには、ホット・プルームが地上に現れた形態であるアファールホットスポットがあることが知られている。
このマントル上昇流が全体として、大地溝帯周囲の地殻を押し上げ、さらに地殻に当ったマントル上昇流が東西に流れることで、アフリカ大陸東部を東西に分離する力につながっていると考えられている。
このため、大地溝帯では、中央部に巨大な谷、周囲に高い山や火山を見ることができる。
紅海がシナイ半島でスエズ湾(左)とアカバ湾(奥に死海)へ分かれる。
今のままで行けば、数十万–数百万年後には大地溝帯でアフリカ大陸が分裂すると予想されている。
参考:地球の特徴・陸の移動

19.260万年前~現在    第四紀氷河時代継続中

地球上に大陸並みの大きさの氷床が存在している時代を氷河時代と称します。
地球史において、広大な氷床が南極大陸とグリーンランドに存在する現在は氷河時代とされます。
氷河時代の中でも、中緯度地域まで氷河や氷床に覆われるような、特に氷河の発達した寒冷な時期を氷期とします。氷期と氷期の間の温暖期で、相対的に氷河が縮小した時期を間氷期としています。
90万年前以降は周期が明確になり、寒暖の差が広がっている。極域に大陸氷床が発達し、約10万年毎に氷河期が起こりその間1万年の間氷期が来る周期があります。
約10万年ごとに氷期と間氷期が交互に訪れるのは、日射量の変化が大きな原因とされています。太陽から地球に降り注ぐエネルギーのことで、そのエネルギー量がだいたい10万年の間に増えたり減ったりしています。
これは、地球が自転する軸がぶれて、太陽の周りを回る軌道が変化することで引き起こされます。このような周期的な変動を、発見者にちなんで「ミランコビッチサイクル」と呼びます。
このミランコビッチサイクルによって、日射量が増えると気温が上がり、地球上の氷が融けて海水面が上がりました。
一度温暖化が始まると、地球上の二酸化炭素やメタンといった「温室効果ガス」の濃度が上がり、さらに温暖化が進んだことが南極やグリーンランドの古い氷の中に閉じ込められた空気を分析して明らかになったのです。

この変動に伴い世界中で同時期に、大陸氷床が拡大・収縮を繰り返すので氷期と間氷期では海面が100m程度上昇・下降を繰り返しました。
2万年前地球は最終氷河期の最盛期で、北アメリカの半分と北欧の大部分は氷河に覆われていて、世界の海水面は110~120m低かった。
また、寒冷化が始まると、空気中の水蒸気が雪となって落ち、水蒸気の温室効果が減り、雪や氷によって日射量の多くが反射され、地球はドンドン冷えます。

ミランコヴィッチサイクルの影響で、1万数千年前第四紀氷河氷期が終了、氷間期に入りました。
現在の温暖化は、過去の温暖化とは少し違い、温暖化のスピードは今までにないほど速い。地球の気温変化を調べると、2万1000万年前から1万年かけて4~7℃上がっていたのが、20世紀後半からの気温はその10倍ものスピードで上がっていることが分かりました。
地球はかつて経験したこともない急激な温暖化の時代を迎えています。

温暖化がこのまま進み海面が上昇し、海面が1メートル上昇すると、日本の90パーセントのビーチはなくなってしまいます。
大阪では北西部から堺市にかけての海岸線は水没し、東京では江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区ほぼ全域が水没などの影響を受けると試算されています。
陸地が少なくなるため、未来には、険しい山や海の中に住む場所が求められるかもしれません。

地球を学ぶ高い志を掲げ、年代順履歴書風に書こうとしましたが、複雑な理由と関連についてうまく説明しきれません。
そこで、地球の歴史(年代別)と地球の特徴(特異性とその理由)に大別しました。
今迄にも、考古学的な新しい発見で教科書が書き換えられた通説も少なくありません。
46億年の地球の履歴書には、まだまだ新たな推理が織り込める余地もあります。
楽しみましょう。

地球の歴史目次

地球の歴史・Ⅰ

誕生

1.138億年前    宇宙の誕生

2.46~45.5億年前  地球と月の誕生

3.41~38億年前   後期重爆撃期


地球の歴史・Ⅱ

酸素発生

4.37~24億年前  地層に「縞状鉄鉱」

5.27億年前    大規模な火山活動

6.25~20億年前  大酸化イベント

7.24~22億年前   1回目の全球凍結

 

地球の歴史・Ⅲ

陸地の移動

8.25~15億年前     コロンビア超大陸が生まれた

9.11~7.5億年前    ロディア超大陸第二世が生まれた

10.7億年前        2回目の全球凍結

11.6億年前  3回目の全球凍結

12.全球凍結の融解からのカンブリア爆発

13.2.5億年前     バンゲア超大陸第三世が生まれた

13.-2 2億年前         パンゲア大陸が分裂を開始する

14.17000万万年前    インド亜大陸ユーラシアに衝突

地球の歴史・Ⅳ

15.6500万年前      巨大隕石ユカタン半島に衝突

16.4500万年前      ヒマラヤ山脈が出来る

17.1500万年前      南極大陸が氷床に覆われる  

18.1000~500万年前   アフリカに大地溝帯形成始まる

19.260万年前~現在    第四紀氷河時代継続中

地球の特徴目次

地球の特徴

太陽の恵み

水の惑星

陸の移動

しっかりした大地も、長い目で見ると大きく位置を変えています。その原動力を尋ねます。

二酸化炭素

地球の大気中にわずか0.032%含まれる二酸化炭素、21%の酸素と置き換わると大変な事になります。

全球凍結

地球全体が凍り付きスノーボール状態になることを言います。
22億年前、7億年前、6億年前の過去3回発生。

太陽風

紫外線、放射線を含む生物を脅かす、強いエネルギーを持つ太陽風が絶え間なく、降り注いでいる。

        

定期的な気候変動

気温変動

10万年ごとに繰り返されるサイクル