人類の直接の祖先が東アフリカで生まれたのか、南アフリカなのかはまだ決着がついていない。
色々な猿が木から降りて、それぞれが戦い交わり、ある特別な強さを持って他を圧倒したグループ、ホモサピエンスが最終的に生き残った。

強い好奇心

後に住み慣れたアフリカの地を離れて、獲物のとれる新たな土地を目指しとにかく進む。未知の地を恐れない強い好奇心を持っているのが最大の特性だったと思う。

人が生きていくために必要なモノ

空気、水、食料、エネルギー(燃料など)は動物として生きるために必須であり、一人一人では他の動物に比べひ弱いので、家族を守るためには集団を作れることも必要な特性である。
空気  薄くなる高度3000メートル以上の高地では、赤道付近以外寒くて暮らせない。
100メートル高くなると0.6℃下がるとすれば平地より18℃低くなるので、平地での平均気温が30度くらい無いと常時暮らすには寒すぎます。
  砂漠を渡るにはオアシスで水を補給しなければならないし、海に出るにも水を持たなければならない。
食料  毎日何かを食べなければならないし、複数家族の集団ならそれなりの獲物や食物を確保する必要がある。
燃料  寒さから身を守る確実な方法は焚火であり、夜も活動できる猛獣を避けるためにも有効だった。

火の利用

肉や魚は新鮮な場合は生で食えても、日がたてば火であぶることで雑菌を除く必要がある。野生の木の実、木の芽、雑草、イモ類も火を通すことで消化しやすくなる。
穀物を繰り返し栽培する農業が発達するが、種を残した上で次の収穫までの1年間、食料を保管し喰いつなげなければならない。
穀物を食べるには籾を取って、煮るか、粉にしたうえで水で練って焼くか煮るか、火を使って加工する必要がある。

ある猿グループは、猛獣が食べ残した大型動物の肉をハイエナが食べた後にありついて腹を満たした。

道具の使用

中には石を使って骨を砕き、骨髄をすするグループもあらわれた。

肉食を覚えた猿は、その栄養(タンパク質)によって大きな脳を持つものも生まれてきた。
更に割った石を使って、斧やハンマー、槍を作ることを覚えた猿人の一部グループは、より大きな動物を狩りすることを覚えた。
彼らは逃げていく獲物を追いかけて、世界中に散らばっていき、住み着いた地域の食物や気候に更に適合し原人になった。
アフリカ生まれの猿人は、強い紫外線による体への悪影響を軽減するために肌のメラニン色素を増やし、黒色化していた。

体の順応性

強い紫外線から体を守るために有益な黒い肌は、紫外線の弱い北方地域や針葉樹林の森林地帯に移動すると、ビタミンDうが不足してクル病を発生しました。
クル病はビタミンDの不足により体内でリンやカルシウムが不足して、骨が軟らかくなり、変形したり、折れたりしやすくなる病気です。
北方地域、森林地帯の弱い紫外線下での暮らしに適応したのが、40万年前に誕生し白い肌をしていたと云われるネアンデルタール人でした。
20万年前に生まれた人類とは、4万年前まで共存する期間があり交雑もしたようです。
現在でもアフリカ黒人を除く全ての人のDNAの4%はネアンデルタール人に由来していると言われています。

大きな集団で暮らせる

ネアンデルタール人は比較的小さなグループで活動し、カニバリズムの痕跡も発見されていることから、他の家族との交流を嫌う性格が強かったようです。

これに対し生き残ったホモサピエンスは血縁関係以外にも、獲物を捕るためや外敵と戦うために比較的大きなグループでも生活できる特性を持っていた。
グループが大きくなることで、石器の改良、狩の方法、弓や矢、釣り具、針、布の技術がグループに残された。
グループのある者が一層便利な道具を開発するとグループ全体に作り方、使い方が伝授され好循環されたと考えられます。
ネアンデルタール人は発明者が亡くなると技術は途絶え、残されたモノか最初の頃の作り方に戻ってしまい、石器や道具の進歩はアンリ見られなかったようです。
また、小グループ間に水や食物、燃料などを取り合う諍いも頻繁に起きたことと思いますが、宥め、対立グループを納める方法を学んだと思います。
ひとつはの存在ですが、ボス猿のような攻撃力だけでは他のグループや猛獣との戦い、効率的な狩りを実行することは出来ず、リーダーには攻撃力以外にも特別な力が求められたと思います。