陸地はどっしりと安定しているようですが、地球の歴史から見るとあちこちに移動し、くっついたり離れたりしています。
大きな一つの大陸だったこともあるといわれています。
25億年ほど前に形成が始まり、約15億年前までの先カンブリア時代の原生代にあたる存在したと考えられている超大陸は、コロンビア大陸で、ハドソンランド(Hudsonland)とも呼ばれています。
この期間に一回目の全球凍結が起こっています。
また、11億年前ほどから7億5000万年前にかけてはロディニアと言うほぼ全ての陸塊が集まってできた超大陸がありました。
ロディア大陸が分裂を始めて、5000万年後くらいに2回目の全球凍結が起こっています。

ゴンドワナ大陸と呼ばれるかなり大きな大陸と、シベリア大陸、ローレンシア大陸、バルティカ大陸と呼ばれる小さな大陸に分裂したと考えられています。
ローレンシア・バルティカ両大陸はデボン紀に衝突し、ユーラメリカ大陸を形成しました。
2億5000万年前頃に、超大陸パンゲアがゴンドワナ大陸、ユーラメリカ、シベリア大陸などすべての大陸が次々と衝突したことによって誕生します。
パンゲア大陸は、赤道をはさんで三日月型に広がっていました。三日月内部の浅く広大な内海であるテチス海では多くの海洋生物が繁殖した。
その一方、内陸部は海岸から遠いため乾燥した砂漠が荒涼と広がり、ほぼ全ての大地が地続きで動植物の移動が促進されたため、生物多様性は乏しく均質でした。
このことにより、現在の海で挟まれた遠く離れた大陸でも同じ動物の化石が見つかる理由とされています。
超大陸の完成時、地球内部からスーパープルームが上昇し直径1000kmもの巨大なマグマの固まりが地表を突き破り、長さ数百km、高さ3kmもの火柱となりました。
世界各地の火山活動が活発になり、これらの大噴火は100万年も続き、成層圏にまで達した噴煙は地球全体を覆い尽くしたといいます。
太陽光線が届かなくなった植物は光合成ができなくなって枯れてしまい、地球全体が酸素欠乏状態(スーパーアノキシア)に陥りました。
こうした過酷な環境の中で、実に95%もの生物種が絶滅したと考えられています。ペルム紀と三畳紀との境界(P-T境界)です。
生き残った生物の中で、少ない酸素で呼吸する方法を見つけたのが後に繁栄する恐竜でした。
ほ乳類も、少ない酸素をうまく使うため、卵を産むのではなく、お腹の中で母親から酸素を供給することで胎児を育てる方法(胎生)を編み出しました。

さて、重たい大陸を動かし、くっつけたり離したりする原動力は何か?を明らかにした理論が二つ

プレートテクトニクス

地球を俯瞰して大雑把に見ると十数枚の固い岩盤(「プレート」と呼ぶ)で構成されいて、このプレートが互いに動くことで大陸移動が引き起こされる。
第1期:大陸の中に断裂が発生し、分裂を始める。 東アフリカ地溝帯
第2期:分裂が進み、大陸は分離しその間に海洋底が生まれる。
紅海、アデン湾(アラビア半島南岸と「アフリカの角」とよばれるソマリア半島の間にある)
第3期:海洋底が拡大し、二つの大陸は大きく離れる。 大西洋
第4期:海洋底が拡大し、無関係だった大陸周辺にぶつかり
海洋プレートは 軽い大陸プレートに潜り込む。 太平洋
第5期:海洋底が拡大し大陸を押し動かし、間の海底洋を隆起させる。 地中海
第6期:海洋底が拡大し大陸を押し動かし、間の海底は無くなり二つの大陸が衝突する
軽い大陸同士の衝突で、衝突山脈が形成される。 ヒマラヤ、チベット

ホットスポット

マントルから煙のように熱い物質が湧き上がる場所。
マントル内部の一定の場所に止まっているので、プレートの移動により火山島が連続して生成される。
ハワイ諸島や伊豆沖列島など。
プレートテクトニクス第1期のきっかけになる場合もある。

プルームテクトニクス

プルームは(羽毛のように舞い上がる)「煙」を意味する。マントルは半径約6,357kmの地球の中で、
深さ数十km~約2,900kmまでを占めているが、その中には下降するプルーム(コールドプルーム)と上昇するプルーム(ホットプルーム)がある。
プルームの上昇・下降とも、通常時は深さ670kmの所でいったん停滞する。
この部分は上部マントルと下部マントルの境目に当たり、マントルを構成する鉱物がこの位置の温度と圧力を境に相変化するため、この上下でマントルの密度や固さが大きく変化すると想定されている。
プルームが深さ670km付近を超え大きく上昇、あるいは下降するものをスーパープルームという。

スーパーホットブルーム

深さ2,900kmの核との境目で核の熱を受けて高温になったマントル成分が上昇するものを呼ぶ。
現在はアフリカ大陸の下と南太平洋にスーパーホットプルームが存在し、大地溝帯(グレート・リフト・バレー)が形成された原因であり、南太平洋に点在する火山の源であると考えられている。
ホットプルームもまた、外部マントルと内部マントルの境目の深さ670kmの部分に一旦滞留するため、通常では地上へ激甚な影響を与えることはない。
しかし大規模なスーパーホットプルームが直接地表に達すると、非常に激しい火山活動が発生すると考えられている。
地球生命史上最も大きな大量絶滅が発生した2.5億年前のペルム紀/三畳紀境界(P-T境界)では史上最大級の溶岩噴出事件によりシベリア台地玄武岩(洪水玄武岩)が形成されたが、これはスーパーホットプルームによるものと考えられている。
この時期は超大陸パンゲアが分裂を開始した時期に相当し、プルームの地表への到達と大陸分裂について相関性が指摘される。

スーパーコールドプルーム

周辺のマントルより温度が低く、マントル表層から中心部へ向かって下降するプルーム。コールドプルームの成り立ちはプレートテクトニクスと深く関係がある。
大陸プレートと衝突した海洋プレートは海溝からマントル中に沈み込み、沈み込んだプレートは徐々に周辺のマントルと一体化していくが、大部分が比較的低温のまま、外部マントルと内部マントルの境目の深さ670kmの部分でいったん滞留した後、さらに内部マントルの底を目指して沈んでいく。
下降流が複数寄り集まった場合には、強く大きな下降流が発生する。これはスーパーコールドプルームと呼ばれ、現在はユーラシア大陸のアジア大陸側の下に存在している。
スーパーコールドプルームは周辺のプレートを吸い寄せるため、陸地を1か所に集めて超大陸を形成する原動力にもなる