文明の地として、今に残る豊かな都市群が数多く誕生し、それぞれの特産物を生かし他の都市とも盛んに交易が行われたが、それぞれに悩みがあった。
都市内での隣人や部族、職種間の争いごと、泥棒、暴力が発生した。これらの収拾にはで、ある程度の強制力を持つ警察を設けて都市内の平静を維持した。
また、他の都市との利害の調整も必要で、交渉力として手強い武力が重要な役割になった。 飲み水や農業用水の確保のための争い、かまどを炊く燃料の確保にも常に都市間の軋轢が生じるので、交渉力としての武力を持つ必要があった。
突然襲ってくる蛮族の襲来もあった。農民を中心に発達した都市の武力は、常に移動し猛獣や盗賊との争いに慣れた主に牧畜で生計を立てた蛮族とは武力に大きな差があり、各都市は中心部を城壁で囲い守ったが、城外の農民そのものは、苦労した生産物を簡単に奪われてしまった。
都市内の秩序を維持するための警察、手強い外敵と闘うための軍隊という二つの機能を要したが、 各都市や集落から、兵隊を集め国軍としようにも、各都市同士の思惑もあり、国軍の維持は難しい問題だった。
しかし、野心的な若い指導者の下で最新の兵器で武装した軍隊で、広大な土地を征服する集団が表れ、それをマネする集団が次々と現れた。

神の指示や、神事に参加し労働力の提供も厭わない国民が平和的に暮らしていた南アメリカのインカ王国。 地理的に他の世界から孤立していたので、外敵から襲われずこともなく安定した生活を過ごしていたが、スペインによって、なすすべなく滅ぼされるのもやむを得なかった。
装飾を施した沢山の金の宝物は、奴隷にした原住民によって、溶かされ小さな鋳物にしてスペインに送られた。
その一部はローマの教会の回廊の天井を飾る金箔に打ち直された。