中国の「金」価格

さて、欲と豚肉とザーサイで出来ている中国の「金」の様子も見てみましょう。
激しくない、緩やかな変動です。

    人民元ベースの金の価格

  1. 2020年8月にピークがあった。440
  2. 2021年4月から22年10月までの間、低迷。350く
  3. 2023年5月から上昇。440

人民元個人預金の激増

2023年上半期の人民元個人預金激増のニュースは興味深い。
中国地方政府が、土地の使用権の高騰に乗じて、不動産の売買を通じて巨額の利益を積み上げてきました。
しかし、中央政府のブレーキコントロールが効いて、最近は建設中止幽霊マンション群や大手デベロッパーの債務不履行のニュースが盛んに放映されています。

欲に敏感、合理的な中国家庭人が、なぜ預金残高を増やしたのでしょう?
「金」を漁り、不動産の復調も聞こえる日本とは真逆の方向に進んでいるように見えます。

    現金や預金が有利な状態とは

  1. 皆が物価が下がると感じ、現金や預金で資産を持つ方が将来得と判断している。
  2. これから中国は長い不景気に入り、デフレが進む
  3. 手元のモノ(財産)は将来値下がりするので、出来るだけ早くお金に換えた方が得。
  4. 不景気が予想され、仕事が無くなるので、持っているお金を死守して暮らしていく。
  5. 年金制度が貧弱なので、不景気な将来では暮らし心配。現金で持つのは不安なので銀行に預ける。
中国の家計預金の急増に関して、もう一つ疑問があります。

    何を、預金に換えたのか?

  1. 手持ちの現金(紹興酒の瓶に入れていた)を銀行に預けた?
  2. 老人が施設に入るので、自宅や貴金属など全てを売り払い銀行に預けた?
  3. マンション入手を諦めた
  4. 中国では、マンションは区画だけ販売され、各戸の内装は住む人が大金をかけて整えます。
    区画が手に入らない、使用権を雀の涙で叩き売ったので内装資金が余った。
仮説:個人の「金」が現金化された
お金に敏感な中国で「金」の価格変化が穏やか理由は、「金」を売る人が多くても、
適正な価格で十分な量を引き受けられる買い手がいた。と考えます。
中国政府が「金」を上手に買い上げて市中の「元」の流通量を増やしている、と考えます。

長いデフレと不況から通貨レートが下落した日本を見ればやってはいけないことが判ります。
日本銀行は
国債やETFを買って、市中にお金をだぶつかせればインフレになると考えた。
既に世界1番の借金超大国、日本国債と、伸び悩み縮こまる日本株式市場の平均価格に連動したETFです。
今の状態の責任さえ、調べず、罰を与えず。借用書や企業の努力期待指標を大量に買い込みました。
この、行為の責任は誰にあって、どう取る?
「心配ない、売れないから」国庫に紙屑が溜まるだけだが、邪魔なら民間倉庫に移せばよい。
円通貨の価値の下落は、構造的なインフレ・スパイラルを招いたのではないか?
日本銀行がお金と交換して蓄えた資産
円安になると、価値はその分一律に目減りする。これからも目減りする。

仮説:中国政府は
この惨状から、市中にお金(元)をばらまくには、政府が何時までも手放せない国債や目減りするETFより、
「金」現物が良いと考えた。
中国やインドでは、子供の祝いに金製品をプレゼントした慣習を聞きます。
先祖代々の金も、かなりあるのかもしれない日本よりは、国民に身近に感じる財産と思います。

「金」対借金証書+値上がり期待クジ
将来、国が困窮した際役立つのは、中国国庫のピカピカした金対日本国庫(契約倉庫)の世界1番借金国の借用書さらに開発投資を怠って久しい企業群の市場平均価格に連動した(クジ)ETF、どちらでしょう。

「金」は基準通貨ドルに対しても、穏やかに価値を保ち、長期的にはより多くのドルで交換できます。
黙っていても、国庫の財産の価値は上がります。
中国がピンチになっても、何時でも適正な売値で海外から資金を調達できます。

日本経済がピンチな時
ピンチな国の国債、ピンチ状態を的確に数字で示すETFが、海外からの資金調達に役立つと思います?

世界に恥をさらし、役に立ちそうもない資産を抱えた、日本の政府と財務当局。
実験し、実施し、なおも憂いまで残した日本の財政問題開発最先端技術、実施実験、うやむやにする経過・結果報告、実施責任者への無批判、無罰。

将来、日本の教科書に
敗戦の責任は軍部にあったが、その暴走を止められなかった。
国の財政破綻の責任は、財務と日銀にあったが、その暴走を止められなかった。
国庫に、経済再建には役立たない、二束三文の証文が山のよう残りました。
と紹介されるでしょう。

同じころ、中国の教科書に
東方の財政破綻の惨状を鑑み、国の金保有量を増やすことで、市中にお金(元)の流通量を増やし、不動産危機を乗り越えました。
また、為替危機時に国庫の「金」を適切に利用して、乗り越えました。
と紹介されるかもしれない。
更に、中国政府は、悲惨な結果が予測できる国の未来を賭けた実験に果敢に挑んだ、当時の日本の財務当大臣と日銀総裁に感謝状を送りました。
記念品として1円金貨を作り贈呈しました。と加筆されるかもしれない。